2013年1月6日日曜日

ライカレンズを全部買う その5 [超ワイドはどうか?]


正面にCANADAと書いてあるエルマリート28
 前回の[90ミリの巻]のあとだいぶ間があいてしまいましたが、
今回はライカレンズの超ワイドの話。

 ライカがレンズ交換式バルナックタイプをだした頃から、標準50ミリ、広角35ミリ、望遠90ミリは3本のレンズで「ライカの標準セット」ような組み合わせであった。

 35ミリより広角レンズが出たのは、1930年頃に発売された広角35ミリから5年ほど後、当時としては超広角レンズ「ヘクトール2.8cmF6.3」が発売、超広角時代が始まったのだ。
 そして、F6.3という超暗いレンズはその後、20年の時を経て「ズマロン28mmF5.6」になる。半絞り明るくなるのに20年、いかに当時超広角レンズの設計が難しかったかを物語っているかのようだ。
 この2本はLマウントだが、Mマウントの28ミリは「M3」が発売になって11年後の1965年「エルマリートM28mmF2.8」が発売されやっと明るさがF2.8になった。
 そしてライカMマウント28ミリはエルマリートF2.8がレンズ構成を変えながら延々と唯一の28ミリとして販売され、明るさがF2の「ズミクロンM28mmF2」が発売されたのは2000年になってからである。

 僕が最初に買ったライカ用28ミリは「ミノルタCLE用 M-ロッコール28mmF2.8」だった。ボディは当時ライカは持っていなかったので「ミノルタCLE」。しかし、このレンズのおかげで僕は一眼レフ用28ミリとレンジファインダー用レンズの明らかな違いに気付いてレンジファインダーカメラにのめり込むきっかけになったのだ。
 その後ライカM6を購入してもしばらくの間、このM-ロッコール28mmF2.8を気に入って使っていた。
 ただし、要注意なのはM6に付けても28ミリのファインダーフレームが表示されないこと。もともとミノルタCLE用なので、ライカに付けると35ミリファインダーが表示されてしまう。
 なぜこうなったかと言うと、ライカはレンズマウント部の爪の長さを焦点距離毎に微妙に変えていて、この爪でファインダーフレームを切り替える機構になっている。そして、ライカでは28ミリと90ミリがセットでファインダーフレームが表示される。ミノルタCLEは40ミリと、28ミリ、90ミリの3本のレンズが供給され、レンズ交換毎にそれぞれのフレームが表示される。ライカの機構を模してはいるのだが、ライカの通りにすると28ミリと90ミリでフレーム切り替えができないため、28ミリには35ミリフレームに対応する爪を使った。そのため、CLEでは28ミリフレームが出るが、ライカに付けると35ミリフレームが表示されてしまう。ファインダーを覗くたびにファインダー切り替えレバーを倒して28ミリフレームを表示しなくてはならないのだ。
 でも、実際はM6の28ミリフレームはメガネをかけている僕にはすごく見え辛く、フレーム全体を見るには接眼部に思いっきりメガネを押し当てないと見えなかったのだ。そしていつしか、レバーで28ミリに切り替えることなく、ファインダーに自然に目を押し当てて、見える全視野が28ミリ相当だと気付いて問題なく使えるようになった。
 次に購入した28ミリは、これも日本製「アベノン28mmF3.5 - Lマウント」にMマウントアダプターを付けてM6で使った。だいぶ後になってやっと第4世代「エルマリートM 28mmF2.8」を購入したが、アベノン28ミリはどうしても手放せず結局エルマリートより出番が多かった。
理由は、
決してアベノンはエルマリートより写りがいいわけではない。
周辺光量落ちがかなりある。
F8まで絞ってもまだ気になるくらいだ。
でも、使った理由は。
 レンズが薄いので、ファインダーを覗いたとき、一切ケラレが無く、前述の方法で全視野が見渡せるのだ。
 では、ライカ エルマリート28ミリF2.8は、
レンズがでかいので、鏡胴がファインダー視野を遮ってしまい、画面の右下 1/4程が全く見えなくなるのだ。フードなんか付けたら完全に 1/4見えなくなってしまう。
このフードも、いかがなものか
そんなわけで、
アベノンをF11まで絞って使っていたのだが、あるとき、ライカの外付けファインダーに出会ってしまいアベノンを卒業した。
ご存じライカの『高い』外付けファインダーだが、うっかり覗いてしまって、とりこになってしまった。
 『明るい』思わずこう叫んでしまった上、即購入。
ファインダーってだいたい暗くなるものでしょう?
でもライカの外付けファインダーは覗くと外より中の方が明るいのだ。嘘だと思うなら覗いてみて!

正面にLEITZと書いてあるが、CANADA製
そんなわけで、
M6に「エルマリート28ミリF2.8」を使うようになってから、同じ世代で「LEITZ」表示のものと、「LENS MADE IN CANDA」のものを2本買ってしまった。
どっちもカナダ製で、写りに変わりはありませんでした。