2011年6月3日金曜日

「何ですかこれ?」「えっ?あ~ DOMKE」の ドンケF-2

「何ですかこれ?」「えっ?あ~ DOMKE」
もう20年以上前になるだろうか。雑誌の取材でマカオのマカオグランプリを撮影に行った。
たまたま同じ取材陣の中に同年代の週刊B春のカメラマンがいた。他にも4~5人のカメラマンがいたがみんな年上のベテランカメラマン風で話しづらく、その同世代カメラマンと3日間ほど一緒に飯を食ったりして意気投合した。そのカメラマン(仮にB氏としよう)がもっていたカメラバックが、とてもカメラバッグとは思えないよれ~っとしたへなへなのバッグで思わず聞いてしまった。
「何ですかこれ?」「えっ?あ~ DOMKE」

僕はと言えば、ニコンF3二台にサンニッパと2倍テレコン、80-200他、広角レンズ、フィルムなどでかなり大振りのバッグでひ~ひ~言っているのに、B氏の小振りのバッグの中身はよりによってライカだった。

そもそもこの取材、レースを撮影するのではなく公道を使ってレースをする全体を紹介するもので、どちらかと言えば報道的内容、B氏はカメラマンと言うより「フォトジャーナリスト」的で、他のカメラマンとは毛色が違っていた。
で、その「DOMKE」たぶんドンケF-2だったと思うのだが「よれ〜っとしていて、へなへな」でカメラバッグとは思えなかったのでちょっとけなした語調で「なんすか〜それ?」に近い感じで聞いてしまったのだ。が、3日間一緒にいてその機動性にビックリ、まさにビックリ箱のようにいろいろ出てきて小さいけれどいろいろ入る。試しに持たせてもらったが中身がいっぱい詰まっている重量感だった。「報道カメラマンの機材は僕なんかが使う機材とはちょっとちがうな〜」と、ドンケ=報道、と頭の中に刻み込まれた。

それから10年以上たった頃。Yドバシカメラのカメラバッグ売り場で「ドンケF-2」に再会した。カラのドンケを触るのは初めてでクッションのないキャンバス地はちょっと頼りなさを感じたがベージュ(正しくはサンド)色したドンケがなぜかなつかしく購入してしまった。
当初はロケ用のフィルムバッグとして使っていた。中のクッション付きコンパートメントを外し、フィルムマガジン5個とポラマガジンを中央に入れ、ブローニーフィルムの皮をむいたものをサイドポケットに入れ、アシスタント二人がかりでフィルム交換をし、撮影済みを反対のサイドポケットに入れる。そんな使い方で3〜4年たった頃からメインカメラがデジタルに変わっていったため、フィルムバッグの出番がなくなってしまった。

これの
中身を出すとこれ
代わりにロケにパソコンを持ってゆくようになったが、ドンケF-2はパソコンバッグには不向きだったのでクッション付きコンパートメントを戻しカメラバッグとして使い始めた。ブローニー時代メインカメラはマミヤ645を使っていた。ワインダー付きボディ2台、予備ボディ1台、フィルムマガジン5個、レンズ7本、ポラ等をテンバ・エアーケースに入れていた。大きさも大きく持って歩ける重量じゃなかったが、デジタルになって「F-2」一個で十分になった。心配だったキャンバス地もそれほどヤワではなく、へなへなのおかげで自由度が高い。つまり押し込めば何とかなってしまう。底板はベニヤが入っているかと思うくらいしっかりしている。ショルダーストラップの他にハンドストラップが付いており案外便利。ちょっと高いが [MADE IN USA] 。
[MADE IN USA]
何に価値を求めるかはそれぞれだが、この何気ない風合いのコットンキャンバス。よれて傷んできても飽きがこないジーンズのようなタフさ。
「これがドンケの魅力なんだ。」と最近になってやっとわかってきた。
そうそう、週刊B春にその後掲載されたB氏の写真は(記事も書いていた)さすがライカ(?)なかなか良い仕事であった。

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